ABCレポート

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2016年10月24日(月)09:53:21

【街レポ】京浜東北線・山手線“日暮里駅”とはどんな街?

成田空港と都心を、わずか36分で結ぶ「日暮里駅」。

駅前は再開発が進み、住みよいエリアとしても注目が集まっている。

“世界の玄関口”として、荒川区が盛り上げる「日暮里駅」について紹介していこう。

 

01

 

人気観光スポット“谷根千”にもアクセス良好!


 

日暮里地域は、江戸時代中期以降「一日過ごしても飽きない里」という意味を込め「ひぐらしの里」と呼ばれた場所。

現在はJR山手線、常磐線、京浜東北線3線の他、東京都交通局日暮里・舎人ライナー、

京成電鉄京成本線、成田スカイアクセス線の2本が通る、交通至便のよい駅だ。

成田空港からのアクセスがよいことから、

ここ最近では東京オリンピックへ向け“世界の玄関口”として荒川区が盛り上げている。

利用状況を見ると、JRの1日平均乗車人員は10万人超。

日暮里・舎人ライナーが開業した2008年以降、増加傾向にある。

「日暮里駅」西口には、若年層に人気の高い“谷根千”(谷中、根津、千駄木周辺地区)があり、

JRからアクセスする観光客も多い。

また、日暮里は洋服の生地などを扱う繊維問屋街で有名。

駅東口、尾久橋通り周辺には多くの洋服店が並び、

そのどれもがディスカウントショップである。

かつてはその激安さから、“ニポカジ”(日暮里カジュアル)というファッション造語も誕生し、

マスコミが取り上げられることも多かった。

同じく駅東口の日暮里・舎人ライナー側は、再開発以前まで駄菓子問屋街として名を馳せていたが、

ビル建設に伴い多くの問屋が拠点を他へ移し、現存する問屋はほとんどない。

一方の駅南口には天王寺、寛永寺、天王寺五重塔があり、周囲を広大な谷中霊園が囲む。

園路沿いにはたくさんの桜が植えられ、春になると桜並木が墓参者の気持ちを和ませている。

 

02

 

再開発によって若い家族層も流入


 

2008年、日暮里・舎人ライナー導入を機に、一部木造建築物が密集し、

火災などの危険をはらんでいたエリアを中心に、「日暮里駅」周辺は再開発を推進。

先述した駄菓子問屋街があった場所には、145〜340戸の高層マンションが3つそびえ立ち、

若い家族が移り住むようになった。

またJR「日暮里駅」構内のリニューアルも進み、

駅東口には大きな広場が完成。

広場ではマルシェやフリマ、音楽フェスなど多くのイベントが開催され、

地元客を中心に賑わいを見せる。

ただ、一部この再開発が外から人を誘致するという見方からすると、

理にかなったものではないという意見も。

これには、駅前にマンションができたとは言え、人が集まるような商業施設が少ないこと、

さらに企業誘致のためのオフィステナントも少ないことが起因している。

居住者が増えても、人の流入に変化はないとの声が上がっているのだ。

実際に、成田空港からアクセスはいいものの、

外国人旅行客の多くは「日暮里駅」を通り越して終点である「上野駅」まで行くため、

外国人旅行客の姿は少ない印象を受けた。

また「日暮里駅」西側は、若い女性や外国人が観光に訪れていたが、

東側は地元に住んでいるであろう高齢者や、ブルーカラーの男性、小さな子連れの家族が多く見受けられた。

“谷根千”のある西側と、繊維問屋街の東側では、

そこにいる人の層、目的がまったく異なることがわかった。

 

昼夜で人口差が少ない“人の住む街”


 

2012年の東京都国勢調査によると、

駅東側にあたる荒川区東日暮里(1〜6丁目)の昼間人口は3万809人で、夜間人口は2万6010人。

最も昼間人口が多いのは、東日暮里5丁目で、

ここは学校施設が多く存在する。

一方、夜間人口が多いのは東日暮里6丁目。

ここは駅前マンションがあるエリアであり、

住宅地が密集している場所だ。

駅西側の台東区谷中(1〜7丁目)の昼間人口は5787人で、夜間人口は8095人。

この界隈は昔ながらそこに土地を所有する人が多く、一戸建ての住宅地が広がるため、

夜間人口が昼間人口より微増である。

余談ではあるが、界隈にはビジネスホテルが少なく、

近年価格の安さや外国にはない雰囲気から、

外国人に好まれるブティックホテルがいくつか存在。

“世界の玄関口”で盛り上げる割には、宿泊施設の少なさが気になるところだ。

その代わり、最近になって注目を集めている、

持ち家を外国人に中長期に貸し出す、

いわゆる“民泊”のような宿泊モデルを行なう民家やマンションが増加。

実際に、日暮里界隈でも宿泊できる部屋が増えており、

外国人が中長期で暮らすこともあるようだ。

 

03

飲食店が少ない不毛地帯


 

「日暮里駅」を抱える荒川区は「飲食店、宿泊業」の事業所数が、

23区中最も少ないというデータがある。

駅東口を出て右側(南東)を走る細い道路が、駅周辺で一番の繁華街。

ファミリーレストラン、ファストフードなどの大手チェーン店が立ち並ぶ他、

こぢんまりとした焼肉屋も軒を連ねる。

小さな個店らしき焼鳥屋、居酒屋なども少なからずあるが、

その多くが何年も営業している様子がある。

駅東口にある飲食店の多くは、ファミリーレストランやファストフード店。

外食でも、安価で手軽に食べられるものが好まれているように思う。

比較的大手チェーン系カフェが少ないのも特徴的だ。

駅前にあるのは、「ドトールコーヒーショップ」、

「エクセルシオールカフェ」、「タリーズコーヒー」のみ。

どれも喫煙席があるカフェで、全席禁煙可の飲食店が少ない影響もあるように感じられる。

一方、駅西口の“谷根千”には個性的な飲食店や老舗店が多く存在。

ただ“食べ歩き”が人気の観光エリアのため、

腰を据えて食べるよりは、テイクアウトや軽食の店が人気であり、アルコールニーズは低い。

日暮里で有名どころの飲食店で言うと、

パティスリー「ショコラティエ イナムラシュウゾウ」(谷中7丁目)、肉のエアーズロックで有名な「大木屋」(西日暮里3丁目)、

ラーメン店「めん処羽鳥」(西日暮里2丁目)、焼肉店「山田屋 日暮里店」(西日暮里2丁目)など。

やはりアルコール業態が少なく、専門店が人気だ。

さらに有名店のどれもが地元客のリピーターよりも、遠方客を取り込む店。

地元馴染みの店は少ないが、先で述べたように夜間人口が多いエリアであるため、

潜在ニーズはあると予想できる。

 

04

 

インターナショナルな街、日暮里


 

昼間と夜間人口の比率や、飲食店事業数の少ないエリアで言うと、

JRの隣駅である「西日暮里駅」や、その隣の「田端駅」が似通った駅と言えるだろう。

また「日暮里駅」を含む、地下鉄千代田線「町屋」、JR「三河島駅」界隈は、

在日朝鮮人や中国人が多く住むエリア。

ハングル語表記の飲食店が多く、朝鮮学校もあることから、

異文化の流れが吹き込んでいる街としては雰囲気が似ている。

小さな焼肉店が多いのも、こうした在日外国人が住まう街ならではだろう。

総合的に見ても「日暮里駅」は、飲食店出店が難しいエリアのように思われる。

しかし小学校や中学校があり、ファミリー層が多く住む地域だからこそ、

外食ニーズは高いと言えるだろう。

荒川区の平均所得は300万円中盤。

中所得者が多いことと、高齢者層が多いことから、

外食にも安さを求める傾向も否めない。

一方で、意外にもわざわざ来る目的がある駅であるため、

実力さえあれば勝機はあるだろう。

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