ABCレポート

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2016年9月20日(火)11:32:12

【街レポ】御徒町

観光名所として人の流入の多いJR上野駅と秋葉原駅に挟まれ、少々存在感の薄い印象がある御徒町。

しかし周辺には5つもの駅が存在し、上野・浅草の副都心を形成する拠点地域の一つとなっている。

今回は、JR御徒町駅を中心とした界隈の街を見ていきたい。

 

 

御徒町という地名は江戸時代、江戸城や将軍の護衛を行なう下級武士である「御徒(徒士)」が多く住んでいたことに由来。

1964年に御徒町という地名は廃止されており、現在は台東区台東及び東上野の一部となっている。

御徒町は日本で唯一の「宝飾品の街」としても名高く、約150軒の宝石店があると言われる。

その起因は江戸時代にまで遡り、周辺に多くの寺社が多くあったことから、仏具や銀器などの飾り職人が多く集まっていたことに始まる。

また、明治中頃からは指輪の制作、加工を行なう業者が増え、宝飾品の街としてのイメージを高めた。

そして明治の後半から大正にかけ、御徒町には寄席や見世物小屋が並ぶ、東京の一大歓楽街となり、1964年には時計・宝飾業者同士の交換会が初めて行なわれたことで、宝飾品取引きの中心地として知られるようになった。

街づくりと共同セールの開催を目的に、1987年には上野5丁目と3丁目のジュエリー業者159社が集まり「ジュエリータウンおかちまち」を設立。

現在でも、JR御徒町駅の東側は宝飾店が並ぶ密集地となっているが、近年ではインド人業者の日本進出が顕著となっている。

 

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かつて御徒町と呼ばれていたエリアには、JR山手線・京浜東北線「御徒町駅」、東京メトロ銀座線「上野広小路駅」、同日比谷線「仲御徒町駅」、都営地下鉄大江戸線「上野御徒町駅」、同線・つくばエクスプレス線「新御徒町駅」が通っている。

東京近郊からのアクセスがよく、どの駅も徒歩圏内に位置する。

JR「御徒町駅」の2015年度の1日平均乗車人員は6万6804人。

この数字は1993年の9万4271人をピークに、下降の一途をたどっている。

JR京浜東北線は平日の快速が通過するが、JR上野駅まではアメヤ横丁を、秋葉原駅までは高架下アーケード(後述)のなかを歩ける楽しみがあるため、3駅間は散策にも適している。

 

御徒町駅〜秋葉原駅の高架下には、「2k540 AKI-OKA ARTISAN(ニーケーゴーヨンマル アキオカ アルチザン)」(上野5丁目)が2010年12月にオープン。

かつて御徒町周辺は伝統工芸職人の街であったことから、「ものづくり」をテーマにした施設だ。

32の革製品、木製品、傘などのアトリエショップや、コーヒーショップ、アニメーションカフェなど個性的なショップが集結し、新スポットとして観光客を集めている。

同じ高架下、同施設よりも御徒町駅に近い場所には「御徒町ラーメン横丁」(上野5丁目)がある。

ここは、御徒町駅の耐震工事に伴い2014年12月にリニューアルオープン。

「蒙古タンメン中本」「つけめんTETSU」「中華そば 中野 青葉」「なんつッ亭」「チラナイサクラ」の有名ラーメン店の他、とんかつ屋「とろ豚 本店」、ファミレス「ジョナサン」が入居する。

特に休日のラーメン店は昼過ぎまで行列が続き、ラーメンフリークを集めている。

 

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JR御徒町駅前が新しくなったのも最近のこと。

2012年11月には、南口駅前に「おかちまちパンダ広場」が誕生。

特設ステージでのミニライブなど、さまざまなイベントが開催されている。

北口駅前、1920年創業の老舗ファミリーデパート「吉池」が本店を構えていたビルを改装。

2014年4月に、地下2階から地上9階建ての「御徒町吉池本店ビル」(上野3丁目)となって生まれ変わった。

同一ビルでの同時開業が初となる「ユニクロ」「g.u.」、レストランフロア、そして和食、寿司、洋食などが楽しめる複合新業態「吉池食堂」などが入居。

鮮魚、食品、酒類、日用雑貨も扱っており、界隈に住む人の他、訪日外国人も取り込むビルとなっている。

また、上野・御徒町界隈のランドマーク的デパートの「松坂屋 上野店」は、2014年3月にリニューアルオープン。

食品売り場は、シニア層を中心とした常連客の顧客満足度向上と、増加する近隣住民や通勤客などの現役世代の取り込みをテーマに改装された。

隣接する南館は立て替え工事に伴い閉店し、本館のみの体制で営業している。

南館のあった場所は「新南館」として、2017年秋にオープン予定。

地下1階は本館と一体化した食品フロアを運営し、1〜6階には「パルコ」が入居、7〜10階は「TOHOシネマズ」が入ることが決まっている。

さらに、12〜22階は高機能オフィスとして運用。

オフィス導入による昼間人口の増加を期待し、現役世代へ向けたアイコンを入居させることで、御徒町全体の“若返り”が進んでいくだろう。

 

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JR御徒町駅の西側、中央通りを超え東京メトロ千代田線「湯島駅」方面へ抜けると台東区から文京区となる。

「湯島天神」の周辺は、マンションや戸建て住宅が密集する閑静な住宅地であり小学校も存在。

一方、御徒町駅の東側、昭和通りを超えた台東3丁目、4丁目もマンションが多く、住居地となっている。

御徒町駅周辺の都営バス停留所からは、毎日1000本以上の路線バスが運行する交通至便な地区のため、住み良い環境と言えるだろう。

ただ、上野2丁目あたりは都内でも有数の夜の街であり、最近ではスリやぼったくりなどの犯罪被害も多く出ている。

そのため一部のエリアは、治安が悪い印象があることは否めない。

 

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御徒町は明治から大正にかけ、天ぷらやおでんなどの多数の屋台が集まり、賑わった街でもある。

その名残を残すように、御徒町周辺には飲食店が多く存在するが、特に多いのは焼肉店だ。

第二次世界大戦後、昭和通り東側には韓国人が形成した路地「キムチ通り」がある他、周辺には韓国料理店もたくさん営業している。

50年の歴史を持つ韓国仕込みの和牛焼肉「焼肉 陽山道 上野本店」(上野6丁目)、韓国の食を日本人の味覚に合わせた焼肉「上野太昌園 上野本店」(上野2丁目)、神戸牛を中心としたA5ランクの黒毛和牛を低価格提供する「焼肉もとやま」(台東2丁目)など、枚挙に暇がない。

一方でトレンドを押さえた人気飲食店の出店もあり、これまで界隈でおしゃれに飲めなかった女性が落ち着いて飲める店も増えている印象だ。

自社輸入した珍しいワインが楽しめ、連日満席の「御徒町 ワインバル 八十郎」(上野3丁目)、同じくワイン業態の「ワイン厨房 tamaya」(同)、ラムチョップとパエリアが看板の「下町バル ながおか屋」(上野2丁目)、フレンチ食堂「御徒町ワイン食堂パパン」(上野3丁目)など、ワインを主力とした店も続々展開している。

 

先述したように、新たなランドマークの誕生を2017年に控え、街に流入する客層は変化すると予想される。

特に若い世代の増加が期待されることから、そこへ向けた新たな仕掛けも必要かもしれない。

ただ御徒町エリアは、上野と秋葉原のツートップがあることから、そちらへの流出の可能性は大きい反面、3エリアに渡った広範囲を商圏と捉えることもできる。

いずれにせよ、再開発がほぼ完了している上野に比べ、今後の様変わりが期待される御徒町は注目しておきたいエリアの一つだろう。

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