ABCレポート

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2016年8月15日(月)09:36:02

【街レポ】神田

今回は、サラリーマンの街である神田駅を中心に、界隈の歴史、街事情、

そして飲食事情について辿っていく。

神田は千代田区の中心に位置し、皇居からみて南北方向に広がるエリア。

江戸時代より発展し、

水運に恵まれた地域で魚河岸や青果市場が開かれていたこともあり、商人や職人の街として栄えた。

神田と言えば「神田明神」が有名だろう。

毎年多くの企業が、企業参拝に訪れることでも有名な上、

JR秋葉原駅からも徒歩圏内とあり、訪日外国人の来訪も多い。

また近年ではアニメキャラクターとのコラボレーションを行なうなど、

新たな神社としてのあり方を提唱している。

 

「神田駅」は、JR山手線・京浜東北線・中央線と東京メトロ銀座線の2社4線が乗り入れる駅。

JRの2015年度の1日平均乗車客数は9万8917人と、同社の駅の中では第40位だ。

意外にも減少傾向が続いている駅であり、2011年度には10万人を下回っている。

一方、東京メトロの2015年度の1日平均乗降客数は5万6761人。

こちらは増加傾向があり、2014年度と比べると6.9%の増加率を記録している。

JR東京駅と秋葉原駅に挟まれた駅であり、観光資源の多い駅からアクセスも良好な反面、

神田駅を利用するのは会社員が多く、それほど観光客が多い場所ではない。

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「神田駅」が賑わう理由の一つに、飲食店が多いことが挙げられる。

会社員をターゲットに据える飲食店が多いため、

なかでもコストパフォーマンスに優れた居酒屋が多い印象だ。

昔ながらの男性会社員が通う居酒屋も残存しながらも、

ワインを売りにするバルやビストロといった女性向けの業態が増えたことで、街も少々様変わりしている。

しかし、店舗流通ネットメディア(※1)の調べによると、

都内飲食店の閉店数ランキングで神田駅は6位。

競合が多いエリアだからこそ、入れ替わりが激しいことがうかがえる。

 

神田と言えば、老舗そば店をはじめとする老舗の名店を抱えるエリアであることでも有名。

言わずと知れた「かんだやぶそば」(淡路町2丁目)は、

「神田駅」から徒歩5分の裏通りにある。

1880年創業だが、2013年2月の火災により2014年10月に新築。

1年8ヵ月ぶりに営業を再開し、ますます多くの観光客を惹き付けている。

「かんだやぶそば」からほど近い場所にあるのが、

1884年創業のそば店「神田まつや」(須田町3丁目)。

2001年には「東京都選定歴史的建造物」に指定された、

歴史を感じさせる造りも魅力となっている。

「松竹庵 ます川」(淡路町2丁目)も、創業150年以上の老舗そば店。

現在は8代目が継承し、

カウンターで揚げたての天ぷらを供するスタイルのそば店として人気を誇る。

 

その他にも、おでんの老舗「尾張屋」(鍛冶町1丁目)、

八寸をイメージしたお通しと日本酒が楽しめる「かんだ光壽」(鍛冶町2丁目)、

昭和の香りが残る大衆酒場「みますや」(司町2丁目)など、多くの歴史に名を残す名店が存在。

今も昔も、働く人を癒す飲み屋街として神田は親しまれているようだ。

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一方で、新しい飲食ビルができているのも新たな傾向だ。

2015年2月には、9店の飲食店が入居する「神田バル横丁」(鍛冶町1丁目)がオープン。

近年、都内でも横丁が続々とオープンしているが、

「神田バル横丁」の特徴は全店がバル業態であること。

「ジンギスカン だるま」や「餃子バル パチパチ」など、

一見バル業態としては不成立なメイン商材を扱いながら、

メニューや内装で気軽さを追求。

9店の料理やお酒を、どの店からも注文ができるスタイルで、

二度三度おいしい体験を提案する。

 

また、野村不動産が展開する「GEMS神田」(鍛冶町1丁目)は、

2016年7月に開業したばかり。

飲食ビル「GEMS」は、渋谷、市ヶ谷、大門に次ぐ4弾目で、

毎回個性的な店を入居させて人気を博している。

「GEMS神田」に入居する9店のうち、商業施設初出店が5店、

新業態4店と話題性が高いのも特徴。

例えば肉フェスの常連で“飲めるハンバーグ”で話題となった

千葉・船橋の人気店「肉匠 将泰庵」も商業施設初出店。

目黒で2013年にオープンし一躍人気を勝ち取った「大衆ビストロJill」は、

新ブランドとなる「JB神田」で初の施設出店を果たした。

また、「赤坂うまや神田」は、三代目市川猿之助氏がディレクションしたお店として話題。

地方の食材を楽しめる店も入居しており、三陸の牡蠣と魚介をテーマにした「GARDENS」は、

宮城・仙台に拠点をおくスタイルスグループが運営。

「新潟バル 醸造屋 ジェムズ店」も、新潟から旬食材を直送するという。

まだオープンしたばかりの飲食ビルではあるが、

東京メトロ銀座線「三越前駅」からも徒歩5分、

JR総武線快速「新日本橋駅」から徒歩3分というフリンジ的な立地で、

会社員以外にも観光客の集客を狙っている。

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「神田西口商店街」も、兼ねてからの賑わいを今でも残すエリア。

「神田駅」西口から、全長300mの間には100店が並び、

その中程に火伏せの神様、商いの神様である「佐竹稲荷神社」が鎮座する。

商店街内は長年営業している老舗店を始め、

ラーメン店や寿司店などのチェーン系が多い。

一方で商店街を外れた道にも飲食店が多く、

こちらは圧倒的な個性で誘引する個店が多い印象だ。

例えば、炭火で焼いた塊肉を豪快に食べさせ

肉ブームを牽引してきた「東京ブッチャーズ」(内神田3丁目)、

熟成肉を使ったビストロ「BISTRO BROOK KITCHEN」(内神田3丁目)など。

商店街が目印となり、

足を運びやすくなっているのも客数を伸ばす一因でもあるだろう。

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「神田駅」南口から江戸通りに抜ける道路を始めとする、

鍛冶町1丁目エリアも多くの飲食店を有する場所。

江戸通りまで抜けると閑散とするが、

駅前は多くの飲食店がひしめきあう。

また、裏通りには先述の「神田バル横丁」が立地。

通りによってはスナックや老舗居酒屋などの小さな店も多く、

ディープな一帯も存在する。

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「神田駅」は「上野東京ライン(東北縦貫線)」開通に伴い、

改修工事が行なわれてきた。

現在JR駅構内は、エレベーターやエスカレーターの設置によるバリアフリー化が施され、

新しいきれいな駅へと変貌を遂げている。

まだ一部工事をしているようだが、

大規模な工事は終了しているようだ。

ガード下の飲食店も魅力がたくさんあり、

“出会い系焼肉”と呼ばれる立ち焼肉店「六花界」(鍛冶町2丁目)、

昭和38年から続く老舗居酒屋「大越」(鍛冶町2丁目)など、

平日の早い時間から駅前飲みする姿を多くみかける。

 

千代田区は、昼間と夜間の人口差が20倍とも言われ、

日本一オフィス街が多く、住民人口は23区内で最も少ない。

「神田駅」はオフィス街であるが、

神田エリアの東京メトロ三田線・都営地下鉄新宿線「神保町駅」界隈は学生の街であり、

単身者向けのマンションも増えている。

ただ「神保町駅」を利用する学生が「神田駅」周辺で遊ぶといったことは多くないため、

ターゲットは完全に“働きに来る会社員”だ。

競合ひしめく神田だからこそ、個性の強い店でアピールする必要がある。

今、業態が飽和状態にある外食産業の中で、

いかにお客を吸引する圧倒的な個性を打ち出せるかどうかが、

神田での勝敗を分けるだろう。

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