ABCレポート

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2016年8月8日(月)10:50:05

【街レポ】人形町

人形町は日本橋のおよそ中央に位置し、歴史と伝統を持つ粋な東京の下町だ。

安産・子授けの神様である「水天宮」を中心にして、七福神を祀る8つの神社を有する土地柄で、

七福神巡りをしに訪れる観光客も多く取り込んでいる。

人形町という地名は、江戸時代に歌舞伎小屋の中村屋と市村屋があった他、

人形芝居も行なわれていた土地であり、人形遣いが多く住んでいたことが由来とも言われている。

1年を通してイベントも多く、4月には「花まつり」、8月には「せともの市」、

10月には「人形市」などが開催され、賑やかさを増す。

今回はそんな下町風情が色濃く残る、人形町を見ていきたい。

「人形町駅」は、東京メトロ日比谷線と都営浅草線が乗り入れる駅。

東京メトロ日比谷線「人形町駅」の2014年度の1日平均乗降客数は7万8936人、

都営地下鉄では4万8593人を記録。

東京メトロ全130駅中49位と、それほど多い乗降客数ではないが、

オフィスと飲食店、住居が混在するエリアとなっている。

昔ながらの家屋も新しいビルとともに顔を並べる、新旧が混在する活気のある街だ。

 

駅前通りである「人形町通り」を東南に向かってまっすぐ歩くと、

東京メトロ半蔵門線「水天宮前駅」にぶつかる。

「人形町駅」から「水天宮前駅」までは徒歩6分とアクセスもよい。

また、「水天宮前駅」には、羽田空港や成田空港を結ぶ

リムジンバスの発着地点「東京シティエアターミナル」も位置。

国内外問わず、多くの旅行客が利用している。

しかしながら、「水天宮前駅」や「人形町駅」界隈にはホテルが少ないため、

地下鉄やバスを利用し他エリアへと移動する観光客も少なくないだろう。

01

街には小道が多く、行く度に新たな発見が多いのも観光客を惹き付ける魅力の一つ。

子宝の御利益があり、密かな人気を集める「大観音寺」脇には、

「小菊通り」と呼ばれる狭い小道がある。

ここは料亭などが並び、かつての花街の面影を残す通りだ。

この他にもいくつもの名もなき小道が多く、

訪れた者をタイムスリップさせるかのような感覚に惹き込んでくれる。

 

近年急増する訪日外国人が多い中、

人形町にも外国人旅行客の流入が見受けられる。

以前なら六本木や麻布などの繁華街を観光する外国人旅行客も多かったが、

現在は東京の下町が観光地として人気を集めている。

伝統的な日本の文化、昔ながらの風情など“ディープな日本”を求める外国人旅行客に、

人形町は注目されているようだ。

こうした外国人旅行客の増加も相まって、

飲食店や雑貨店では英語や中国語表記を行なう店も微増している印象がある。

街もさまざまな人へ、人形町そして日本の魅力を伝えることに傾注しているように感じる。

02

もう一つの人形町の魅力が、なんと言っても老舗飲食店が多いこと。

「人形町通り」から「明治座」、「浜町公園」へと抜ける商店街「甘酒横丁」は観光名所であり、

400mも続く道に70軒近くの店が並ぶ。

明治時代、現在の甘酒横丁の入口付近に「尾張屋」と呼ばれる甘酒屋があり、

その小道を「甘酒屋横丁」と呼んでいたことが名前の起源と言われる。

関西大震災後には道路が拡張され、今でも同じ呼び名で親しまれている。

現在は閉店している「尾張屋」の跡地には、虎家喜(とらやき)で有名な「京菓子司 玉英堂」が営業。

また大正5年創業の「高級鯛焼本舗 柳屋」、「尾張屋」の甘酒を今なお飲むことができる「豆腐の双葉」、

人形焼きの「亀井堂」、卵焼きや焼鳥の「鳥忠」、蕎麦屋の「浜町 やぶそば」など多くの老舗が軒を連ねる。

この「甘酒横丁」を目当てに来る観光客や、「明治座」の帰りに立ち寄る人も多く、

平日休日問わず賑やかな通りとなっている。

 

「甘酒横丁」以外にも、多くの老舗、名店を有する人形町。

すき焼きで有名な「人形町今半」(人形町2丁目)、親子丼の発祥である「玉ひで」(人形町1丁目)、

大正3年創業の京粕漬の「魚久」(人形町1丁目)、創業100年の日本料理店「濱田家」など、

多くの歴史ある名店を抱えている。

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また近年、再びの盛り上がりを見せている日本酒を扱う店も多いように感じる。

それを証拠に、2014年より人形町にある「新川屋 佐々木酒店」率いる

「日本橋日本酒プロジェクト」が主宰する、「日本酒利き歩き」イベントがスタート。

これは事前にチケットを購入すれば、さまざまな飲食店で日本酒が楽しめるイベントだ。

人形町を含む日本橋界隈の老舗から、ニューオープンの個店まで多種多様な店が参加し、

2016年で第4回目を迎える盛況ぶりだ(2016年のイベントは4月に終了)。

こうした地元だけでなく、遠方から目的客を惹き付けるイベントを、

街全体で行なっているのも人形町の魅力と言えよう。

 

人形町駅周辺は昔ながらの店が多く、新規出店が難しいものの、

駅から5分圏内であれば新規参入の店も多い印象を受ける。

また大手から中小の外食企業は、オフィスと住居が混在し、

観光客の流入も臨める人形町への出店を希望するケースも多いように感じられる。

まず、宮城・仙台に拠点を置く㈱スタイルスグループは、東京初出店の地として人形町を選択。

宮城の魚介を提供する炉端焼き「三陸天海のろばた」(人形町2丁目)を出店し、

連日満席を記録している。

また東京、大阪、沖縄などで炉端焼き、ビストロなど

多彩なブランドで店舗展開する㈱スパイスワークスも、

2016年6月に人形町へ初進出(のれん会と呼ばれるFCでの出店)。

主力業態として掲げ、勢力的に店数を伸ばしている「肉寿司」ブランドで、

「人形町 肉寿司」(人形町3丁目)を出店した。

和食業態「円らく」ブランドを都内で展開する㈱円らくも、2016年7月に人形町へ初出店。

池袋、新橋に次ぐジンギスカン業態「ジンギスカン楽太郎 人形町店」(人形町2丁目)をオープンしている。

ここで挙げた事例は3件と少ないが、

こうした店舗展開に意欲的な外食企業が注目する街の一つとして、

人形町が挙げられていることは確かだろう。

 

一方でオフィス人口が多いのが「人形町駅」の南西側、人形町3丁目界隈。

「人形町通り」にはファストフード店が多く、手軽にランチを済ませたい会社員を取り込んでいるようだ。

裏路地にも飲食店は少なく、閑散としている。

「人形町通り」を南西に進むと、東京メトロ日比谷線「小伝馬町駅」につながり、

こちらも徒歩8分と徒歩圏内にある。

「小伝馬町駅」に近い方の裏通りには、隠れた名店が点在。

人形町3丁目界隈の会社員が、ランチ利用に「小伝馬町駅」まで足を運ぶこともおおいにあると考えられる。

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人形町付近の久松町、浜町、堀留町、富沢町といったエリアは、

隅田川の内側で最大規模の居住地となっており、

特に近年では家庭を持つ世帯の流入が増え続けている。

中央区は子持ちの共働き世代である「DEWKS(デュークス)世代」の移住が顕著で、

なかでも人形町付近の地区では人口増加率が高まっている。

人形町付近では近年、保育園や幼稚園の新設が相次いで行なわれている他、

スーパーなどもどんどん出店。

さらに、中央区最大の公園である「浜町公園」も存在する。

また、中央区は出産や子育てを控えているファミリーのための行政サービスが、

23区内でもトップクラスを誇る。

例えば「妊婦にタクシー利用券1万円贈呈」など、

中央区独自のサービスを始め、保育料の補助なども実施。

こうした背景を踏まえ、都心で働くDEWKS世代にとって、

ハードとソフトの両面で育児環境が整備されていることが、

移住理由にもつながっているようだ。

05

住民の増加に伴い期待できるのが、近所での外食ニーズの高まりであろう。

25歳〜49歳までの年齢別世帯層が最も高いところを見ても、

潜在的な外食ニーズを獲得したいところ。

また、子供でも楽しめるメニュー構成や席配置など、

ファミリー向けの提案を行なうことも集客の一つにつながる策とも言えるだろう。

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