開業実例

成功者インタビュー

Concept

好立地×ハイコストパフォーマンス
無敵のフレンチビストロを支える堅実な経営手腕

Les pif et dodine(レピフエドディー...

オーナー 加藤木 裕さん

1982年、茨城県生まれ。食の専門校「レコールバンタン」卒業後、都内有名フレンチレストランやビストロに勤務。2013年2月、大門にフレンチビストロ「Aux delices de dodine」オープン。続いて14年11月に2号店「Les pif et dodine」を浜松町に、16年2月に3号店「Les Jardin des dodine」を大門にオープン。厳選した肉・野菜によるハイコストパフォーマンスなビストロ料理と、通も納得する充実のワインラインナップで、いずれの店も地区随一の人気店となっている。

★ Les pif et dodine(レピフエドディーヌ)★

住所:港区浜松町1-23-6
TEL:03-6435-7305
営業時間:月・水・金・土/11:30~14:30(L.O 14:00)
月~土/18:00~23:30(L.O 22:30)
定休日:日曜日
店舗情報【 食べログ 】
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飲食店激戦区|浜松町・大門
若きオーナーシェフ率いるフレンチビストロブランド

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浜松町駅・大門駅周辺エリアは、半径1km圏内に8千件を数える事業所が密集し、そこで働く人の数およそ19万人という大オフィス街。二駅の1日あたりの総乗降客数は61万人を超える。朝早くから夜遅くまで人通りが絶えない通りには約610件の大小飲食店が軒を並べる。まさに「飲食店激戦区」の名に相応しいが、その中にひときわ人気を集める店がある。
JR浜松町駅北口徒歩2分のフレンチビストロ店「Les pif et dodine(レピフエドディーヌ)」。文化放送メディアプラス裏の路地裏エリアに開くこの店は、グレーの外壁に真紅のテントという上品で洗練された外観が目印。その時々の豚、鶏、牛、魚介を用いた本格ビストロ料理とソムリエ厳選の自然派ワインコレクションはグルメ通からの定評も高い。前菜・メインから成る充実のランチセット(1,000円)は、その質とリーズナブルさから正午にならないうちから行列が出来始める。
オーナーの加藤木裕(かとうぎ ひろし)さんは、恵比寿「LE BISTRO」、目黒「La maison dami」などの有名店で経験を積んできたフレンチシェフ。元々は高校卒業後に電気工事業に就いていたが、二十歳の頃に将来について再考。食の世界や空間づくりが好きだったことから、「これからは飲食でやっていきたい」と思い、食の専門学校「レコールバンタン」に入学し、フレンチの料理人となった経歴を持つ。
「30歳までに自分の店を」との目標どおり、2013年2月に大門に初めての店となったフレンチビストロ「Aux delices de dodine」をオープン。“丸々太らせた(=dodine(ドディーヌ))美味しいもの”を意味するこの店の主役は「豚」。半頭買いしたブランド豚を頭から足の先までお腹いっぱい楽しんでもらおうというコンセプトで開店直後より人気を博し、予約の取れない繁盛店に成長した。そこで14年11月にはここ浜松町の2号店、16年2月には大門に野菜をテーマとした3号店「Les Jardin(=庭) des dodine」をオープン。“ハイコストパフォーマンスの本格的ビストロ料理”をコンセプトの核とした「dodine」ブランドを展開してきた。

初めての出店を成功に導いた「居抜き開業」
二階建て物件のデメリットはオペレーションの工夫で克服

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加藤木さんが三年という短期間で多店舗展開を成功させることができた背景には、優良な居抜き物件との出会いが大きいという。「初めての出店は若くてそこまで資金源が無かったので、自分の元手でリスクなくということで、地域を絞らず良い物件を探していました。その過程でABC店舗に紹介してもらったのが、現在の1号店「Aux delices de dodine」の物件」。大門駅徒歩1分、前オーナーお墨付きのランチ需要にも恵まれた好立地路面店を獲得できたのは、定期借家がネックで競争相手が少なかったから。結果、物件取得750万、内外装工事150万の計900万で好条件での開業を果たすことができた。
浜松町の2号店「Les pif et dodine」でも居抜き物件の活用によってコスト節約を成功させた。こちらは、二階建ての一棟貸し物件。前店舗は同業のフレンチ店で、人気店だったが店主の引退による惜しまれながらの閉店だった。業績不振ではなく、きちんと人は入っている、その実績を重視して契約を決めた。内外装は木の重厚さやクラシカルなアンティーク感のあるデザインに全面的にリフォームしたが、最も予算がかかる厨房機器は状態良好で、取替不要でオープンできた。そのため、一軒家丸ごとの大々的な改装だったが、費用は500万ほどに抑えることができたという。
一軒家物件はまるで友人宅を訪れるようなアットホームさが魅力だが、一方で、二つのフロア間での円滑なコミュニケーションが課題となる。この点について、加藤木さんは、2階に専任スタッフ1名を配置し、オーダーや配膳で客を待たせないようオペレーション上の工夫をしている。また、譲渡を受けたダムウェイター(小荷物専用昇降機)が、料理や必要備品の運搬に際して、なくてはならない味方になってくれているという。

競争激しいエリア&フレンチ業界での成功の理由は?
上質でハイコストパフォーマンスの食を実現する秘訣

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しかしながら、好立地でも流行らない飲食店も勿論ある。飲食店ひしめく浜松町・大門、しかも競争相手の多いフレンチ業界で、加藤木さんの店がエリア随一の人気店となれた理由は何処にあるのだろうか?その秘訣は“突出性”にある、と加藤木さんは語る。「うちがお客様の支持を得ているのは、他の店より突出しているからだと思います。料理のボリュームもサービスも上だけど、価格は下。何かしら他店がしていないことを積み重ねていけばいずれは大きな違いになる。そういうことを心がけています」。
だが、上質な食とリーズナブルさは果たして両立するのだろうか?良いものを安く提供するには、食材なり価格なり、何かしらを犠牲にしないと成り立たないのではないか。このような疑問に対して、加藤木さんはこう断言する。「元値が高くても美味しくないものは沢山ある。高い材料を仕入れて高い料理を作るのは僕はあまり好まない。そういうものは避けて、ある程度安くても調理次第できちんと美味しくなるものを敢えて選んでいます」。
優れた食材を選ぶ眼は、地道な食べ歩きで養う。最近、定番で使っている茨城県「いも豚」は、開業する前から豚を食べ歩く中で見つけ出したもの。価格帯、味含め最も良い豚と確信して使うようになった。現在も店休日は食研究に費やすという。独自の視点で選んだ食材の確かさは、店の繁盛ぶりを見れば明白だ。ワインについてもソムリエ厳選のマニアックと言えるほどの品揃えを追求する。「うちの主な客層は30~40代。このエリアにはカジュアルな店はあっても、本当に美味しいワインを楽しめる場所が無かった。なので、味の分かる方々に受けているのでは」と“本物の強さ”を語る。

今後の課題は人材確保とフォローアップ
初めての開業はリサーチが肝要

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既存三店舗の繁盛ぶりを受けて、4号店開店も間近かと期待される加藤木さん。次なる展開としては、「今は人材不足の時代のため、それほど高技術がなくても調理可能なカジュアルスタイルの店舗を出すのもいいかなと考えています。また、他ジャンルのイタリアンに広げていくのもよいかと。現在のフレンチブランドは維持しつつ、そうした新たな試みの土台づくりもしていければ」と未来の構想の一端を明かしてくれた。
人材不足には加藤木さんも苦労しているそうだが、スタッフ定着のためには「出来るだけのケアが必要」と語る。「福利厚生もそうですが、フォローアップが大事。飲食店は上の方が偉くて下の方が雑に扱われる風潮がありますが、そういうのを無くして、みんなが同じくらいの力配分で仕事が出来るようにする。そうすると少人数でも仕事が続けやすくなるのかなと思います」。自身も1号店を中心に変わらず厨房に立ち続ける。
これから飲食店開業を目指す方々に向けては、「リサーチをしっかりと」とアドバイスする。「商圏研究も勿論だが、ライバル比較も必要。同区域の飲食店がライバルなのか、同業者がライバルなのかでも対策は違ってくる。また、人が多いからといって全員が自店の客になるとは限らない。街の雰囲気や通行人の属性から、見込客の数を見極めることが大切」。多店舗展開の秘訣としては、「無駄遣いしないこと」を挙げる。「うまくいくと遊びで浪費する人も多いが、その分で着実に事業を伸ばしていった方が良い投資になる」と己を戒めることの大事さを語ってくれた。
連日予約満席、ランチの行列は当たり前の華やかな成功の裏には、奇想天外なアイディアというよりも、お客様のニーズを掴むための日々の地道な取り組みと堅実で確かな経営方針が在る。気鋭のオーナーシェフの確固たる言葉に、そう実感されるインタビューだった。
(取材日:2016年10月13日(木))

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