開業実例

成功者インタビュー

Concept

ワクワクの食体験を提供する食のワンダーランド
根底に流れるのは“下町のあたたかさ”

炭火ホルモン焼のネバーランド 市ヶ谷店

澤田 泰広 さん

「炭火ホルモン焼のネバーランド」代表。1986年東京都生まれ。浅草で大衆割烹店を営む両親の元で育ち、幼いころから飲食業への関心が芽生える。大学卒業後、代官山のイタリアンレストラン「リストランテカノビアーノ」で修行後、恵比寿「らいおんのいるサーカス」を経て、「ふたご」「ぐぅ」の両店で焼肉調理技術を習得。2014年、戸越に「炭火ホルモン焼のネバーランド」1号店をオープンし、16年には市ヶ谷に2号店をオープン。“厨房でプロが焼くホルモン”というオリジナルのスタイルが人気を博している。

★炭火ホルモン焼のネバーランド 市ヶ谷店★

住所:新宿区市谷田町3-2 トゥービル1F
TEL:03-5579-2989
営業時間:〔平日〕17:00〜23:00(L.O) 〔土曜,日曜、祝日〕15:00〜22:00(L.O)
定休日:不定休
店舗情報:【 HP 食べログ 】

業種:
焼肉
予算:
1,000万円〜
面積:
10坪 (33.06㎡)〜
地域:
新宿区
初期設備:
居抜き

外堀沿いに広がる市ヶ谷の街
“厨房でプロが焼く”ユニークなホルモン焼店

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都会の中の憩いの水場・外堀沿いに広がる市ヶ谷の街は、オフィスビルや私立大学キャンパス、防衛省庁舎といった大型施設に加え、一歩裏の方に入ると、昔ながらの閑静な御屋敷街が残る。JR中央・総武線各駅停車、東京メトロ有楽町線・南北線、都営地下鉄新宿線の計4線が乗り入れ、交通面でも便利な恵まれた立地となっている。通りは職場や学校へ向かう会社員、学生たちで賑わい、飲食店も数多く存在する。
「炭火ホルモン焼のネバーランド 市ヶ谷店」は、外堀通りの新見附橋交差点すぐ近く。白とペパーミントグリーンの壁が爽やかなカントリー調の外観が目印だ。通常、ホルモン店というと、客席で炙って焼くのが定番だが、ネバーランドの特色は“厨房でプロが焼くこだわりのホルモン焼き”。からし醤油、ケチャップ、山葵の3種類の味で頂く「ハラミってス・テ・キ」(1,890円)、牛・豚・鶏の焼き物を1種類ずつ楽しめる「ミックス焼きコース(2時間飲み放題付)」(3,500円)など、焼き方の難しいホルモンを部位によってタレを変え、それぞれ最高のタイミングで焼き上げて提供してくれる。
店名の由来は、童話『ピーターパン』の舞台・ネバーランドから。「未知のワクワクするような食体験を提供したい」との願いを込めて、オーナーの澤田泰広さんが命名した。2014年10月にオープンした第1号店の戸越店は、地元中心に大ブレイク、TVや雑誌などのメディアにも取り上げられる超人気店となった。続く2号店は、2016年2月3日、ここ市ヶ谷の地にオープンした。

オリジナルスタイルは現場発のひらめきから
1号店の戸越店はご近所から愛される超人気店に

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澤田さんは浅草で大衆割烹店を営む両親の元に生まれ、幼いころから店の手伝いをして育った。そのため、飲食業には早い段階から興味を持ち、高校ではフグ料理店、大学では代官山の有名イタリアンレストラン「リストランテカノビアーノ」のホール担当として働き、卒業後も同レストランで3年間、厨房修行に邁進。次に移った、静岡B級グルメ“つけナポリタン”を名物とする恵比寿のワインバル「らいおんのいるサーカス」では、オープニングから料理長に就任、メニュー開発にも関わった。
独立開業にあたって澤田さんが選んだ業種は「焼肉」。イタリアンなどのジャンルでは修行に最低でも3~4年はかかってしまうが、焼肉業は調理技術がそこまで難しくはなく、人も早く育つと考えた。そこで、「ふたご」「ぐぅ」の2つの店にアルバイトとして入り、焼肉調理について学んだ。その際、店で接客をしていると、必ずといってもいいほどお客様から聞かれたのが、「このホルモン、もう焼けてるの?」というご質問。「それだったら、厨房でホルモンを最適な状態に焼き上げて提供すれば?」とひらめいたのが、現在のオリジナルスタイル創出に繋がった。
初めての出店に選んだのは、品川区・戸越の地。戸越銀座で賑わうこの街には、地元の祭り団体の神輿担ぎのため以前から度々訪れており、下町っぽい雰囲気が気に入っていた。物件は、ABC店舗で見つけた元・韓国焼肉店の居抜き店舗を活用。昭和感漂う店内を「アメリカンなガレージ小屋」をイメージしたスタイリッシュな内装に華麗にチェンジし、男性も女性も入りやすく、落ち着ける空間とした。元・亀戸ホルモン店長という最強の経歴を持つ幼馴染をパートナーに迎え入れ、「お一人様でも2切れから気軽にホルモンが楽しめる店」をコンセプトに、記念すべき第1号店をオープンした。
「戸越店は、オープン当初から地元の方々に大勢ご来店いただき、週2~3回ペースでご利用くださる常連さんにも恵まれています。テラス席にワンちゃんを連れてきたり、親御さんがお出かけの日に高校生のお子さん方がご飯に来られたり、海外からの大切なお客様を連れてきてくださったり―地元の方々に大事にしていただいて本当に有り難い」。お客様が「美味しい」と言ってくださり、口コミでファンが増えているのが純粋に嬉しいという。

人材が揃ったタイミングで2号店出店
ホルモンは食材が命、素材選びに光る目利きの眼

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戸越店を人気店に育て上げ、次なる市ヶ谷の2号店は、新店舗を共に盛り立ててくれそうな人材が揃ったタイミングで出店に乗り出した。こちらの物件は、ロフトのある店の造りが気に入って契約を決めた。デザインは戸越店同様、アメリカン調でまとめたが、ロフト部分はマリンスタイルの要素を加えてガラッと雰囲気を変えた。随所にカラフルな旗や日用雑貨、書籍を配置したお洒落な異空間は、実は澤田さんご自身のデザインによるもの。抜群のセンスはどう磨いたのかというと、「特別なことはしていないですが、普段から雑貨屋やレストランで“いいな”と思ったものを写真に撮るのが、昔からのクセ」。優れたアート感覚は日々の情報収集の賜物だ。
市ヶ谷店では新名物メニューも用意した。芝浦直送の新鮮なホルモンを自家製塩だしとポン酢で味わう「ホルしゃぶ鍋」(1人前1,480円)。野菜がたっぷり頂け、生パスタ、素麺、雑炊の3種類から選べる“締め”もユニークだ。キムチやナムルといったホルモン店定番メニューの他に、こうしたイタリアンのエッセンスを取り入れたメニューが考案できるのも、澤田さんの持つ異なるジャンルでの豊かな飲食業経験あってこそのものだろう。メニュー数だけでなく、食材そのものにも手を抜かない。「ホルモンは食材選びが命。新鮮で質の良いものでないと、仕込みもしにくい。自分で見て触って確認し、信頼関係が出来た業者からだけ仕入れます」。ホルモン料理はシンプルだけに、素材の目利きが欠かせない。
新しい店で大きく変わったのは、来客層。戸越店は地元住民が主力だったが、こちらでは会社員が多い。週末は近隣の家族層も訪れるが、住民の感じもだいぶ違うという。「戸越は賑やかな感じですが、こちらはお子様含め、すごい清楚でお嬢様っぽい感じ。富裕層も多く、通りがかりでパッと入るのではなく、口コミサイトで調べたり、有名店を選んだり、という方が多いようです」。幸い、一度店を訪れると気に入ってくださる方は多く、リピーター率はかなり高い。そのため、今夏は定休日を無くして来客数調査を行うなど、市ヶ谷の客層に合わせた営業スタイルの検討により一層力を入れた。

「今日何食べよう」そんな時に浮かんでくるお店でありたい
店とお客様の最適距離が繁盛店の秘訣

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澤田さんは、今後も様々な店舗展開を考えている。「次にやりたいのは、七輪タイプのホルモン焼き。自分で焼きたい人もいるしライブ感もある。厨房で焼いて出すタイプとそちらで好みの店を選んでもらえればと思います。僕は下町生まれなので、やっぱり赤提灯の雰囲気が好き。ホルモンをベースに大衆居酒屋のような雰囲気の店を出していきたいですね」。
飲食店開業志望者に向けては、「店・スタッフとお客様の距離が大切」と語る。「何とも難しいところですが、お客様との距離は近くても遠くてもうまくいかない。高級店には記念日に使えるなどの良さがありますが、自分としては気取った店でなく、週1回ペースで通ってもらえるような落ち着く店、“ちょっと何か食べたいな”と感じたときに思い浮かべてもらえるような店を目指したい」。自分は店をどのような場にしたいのか?何をそこで表現したいのか?コンセプト設定は飲食店にとって最も大切な要素の一つだ。
ホルモン、イタリアン、アメリカン・カントリーテイスト―様々な要素が混在しながらも、ネバーランドという空間の元でうまく融合しているのは、そのコンセプトの根底に「下町らしさ」というテーマが一貫して流れているからだろう。優れた料理人であり、プロデューサーであり、そしてデザイナーでもある。澤田さんが飲食業というフィールドに描いていく世界がこれからも楽しみである。
(取材日:2016年9月15日(木))

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