開業実例

成功者インタビュー

Concept

原点はどこまでも続くブドウ畑
吉祥寺から発信する本場のフレンチ・ビストロ文化

La Girouette(ラ ジルエット)

中川 昇さん

1982年、神奈川県生まれ。エコール辻東京2年次よりフランス・リヨン校に留学。卒業後、フランス料理店で数年間勤務した後、リヨンに再渡航。ホームステイしながら現地ビストロで修行する。帰国後、ワイン販売店等を経て、2016年4月、仲間4人で吉祥寺にフレンチ・ビストロ「La Girouette」をオープン。秋田の銘柄豚「桃豚(ももぶた)」をメイン食材として、本場ビストロ料理の紹介につとめる。

★ La Girouette ★

住所:武蔵野市吉祥寺本町2-7-13 レディーバードビル2F
TEL:0422-27-5404
営業時間:12:00~15:00(L.O14:00)
18:00~23:00(L.O21:30)
定休日:月曜
店舗情報:【 Facebook 食べログ 】

個性的な店が集う吉祥寺・東急裏エリア
本場フランスの薫りを伝えるビストロ料理店

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JR 吉祥寺駅北口から徒歩7 ~ 8 分ほどの東急百貨店裏エリアは、数多くの飲食店がひしめく吉祥寺の中でも“一点物” の個人店が集う一帯として有名だ。ここの路地裏のそこかしこで明かりを灯す個性的な居酒屋やレストランに、またひとつ魅力的な店が加わった。2016 年4 月26 日オープンのフレンチ・ビストロ、「La Girouette(ラ ジルエット)」である。

ビル2 階の隠れ家的なこの店で味わえるのは、本場フランスそのもののビストロ料理。看板メニューは、シェフの出身地・秋田から一頭買いする「十和田湖高原ポーク 桃豚(ももぶた)」のロースト。繊細で旨味豊かな豚肉に、低温オーブンでじっくり火を通し、中をほんのりピンク色に仕上げる。他に、田舎風パテ、フォアグラ、エスカルゴ、シュークルート(アルザス地方の料理)などの定番料理とともに、厳選フレンチワイン、毎日5 ~ 7 種類は揃う手作りスイーツが楽しめる。

メニューには「グラドゥーブル」(牛の胃・ハチノスと飴色玉ねぎのソテー)や「ブーダン・ノワール」(豚の血の黒いソーセージ)、「タブリエ・ド・サプール」(ハチノスの大きなカツレツ)など、他ではなかなか出会えないフランス・リヨンの郷土料理も並ぶ。「今まで召し上がったことのない方も“意外と美味しい” と仰います。現地の料理を知ってもらえるきっかけとなれば」オーナーの中川昇さんはそうほほ笑む。

料理人を目指すきっかけは“料理の鉄人”
リヨンでの留学体験が今の原点

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中川さんは、これまで一貫してフランス料理店の厨房・サービス担当として腕を磨いてきた。料理人を目指すきっかけとなったのは、中学時代に観ていたTV 番組「料理の鉄人」。フレンチ担当の坂井宏行氏はじめ、料理に腕を振るうシェフ達の姿を見て、「かっこいい!」と憧れて調理学校への進学を決めた。

人生の転機となったのは、調理学校2 年次のフランス・リヨン留学。現地の食文化が印象に残り、卒業後、数年間のフランス料理店勤務を経て、ふたたび私費でリヨンに渡った。「綺麗なフレンチもいいけれど、私が興味を持ったのは根本の素朴なフランス料理。現地の一般家庭にホームステイしながら、大衆の店であるビストロで修行したいと思ったのです」。

言葉や文化の違いには苦労したが、現地での生活は、中川さんにとってかけがえのない経験となった。特に、フランスの食文化とワインの分かちがたい深い繋がりをあらためて実感し、休日になると勉強のため、郊外の畑や醸造所に通った。「リヨンはブルゴーニュ、ローヌというワインの名産地に挟まれ、そこに足を運ぶとブドウ畑がどこまでもずっと続いている。日本ではなかなか見られない景色に“ワインってすごいな” と衝撃を受けました」。

独立開業には居抜き物件を最大活用
経費節約のコツはセルフリフォーム

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本格的にワインに関心を移した中川さんは、帰国後、ワイン販売店を経て、フレンチレストランでサービスに従事。「35 歳までには自分の店を」という目標を実現すべく、開業準備を開始した。開業にあたっては、予算面でのメリットから、フレンチ、イタリアンなど、類似業種の居抜き物件を探した。「吉祥寺は幅広い層の人々が集まり、食文化がしっかり根づいている街。そして珍しいことに、駅前だけでなく、ここのように少々離れているところにも人が歩いてきてくれる。ライバルも多いけれど、この場所でやりたい、と思いました」。

内装コンセプトは、アットホームに使ってもらえるように、堅苦しくなく、温かみのあるものに。テーブルや椅子も、使いこまれた感じのあるアンティーク調を選んだ。レンガ調の壁はそのまま活用しつつ、大きなミラーを設置してイメージを刷新した。最大の変更点はキッチン。やりたい規模に対してあまりにコンパクトだったため、2m 拡張して、4 面冷蔵庫やコールドテーブルを導入。ダクトもリニューアルし、豚肉メインの業態に合わせて充実化を図った。

「居抜きの活用」「手作りの知恵」は、他の多くの開業成功者も語る経費節約のコツであるが、中川さんもセルフリフォームを上手に取り入れている。内装会社には最低限の部分を依頼。客席のベンチシートは自分たちで買ってきて設置し、カウンター上部の壁も自分たちで黒く塗った。こうした労を厭わないことで、数十万からのコストが削減できる。ぜひ見習いたいポイントである。

同じ学校出身4人の力を合わせて
本場のフレンチ・ビストロ文化を伝えていきたい

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オープンから5 ヶ月、通りから見えづらい2 階店という必ずしも有利ではない条件下にありながら、ラ ジルエットは30 代後半~ 50 代くらいの客層を中心に順調にお客様を増やしている。店を盛り上げるのは、中川さん含む4 人のスタッフ。偶然にも同じ調理師学校出身、しかもフランス好きでチームワークは抜群だ。東西南北の四方に仲間が立ち、その中心に、風見鶏ならぬ「風見豚」がいる。「ラ ジルエット」(フランス語で風見鶏)の店名とロゴマークも4 人の絆に由来するものだ。

「自分で考えた料理を作って、食べてもらい、喜んでもらえる。元々、何かを作ることが好きだった自分には、飲食は最高の職業。こんな有り難い仕事はありません」。今後も吉祥寺ナンバーワンの店を目指すとともに、本場フランスのビストロ料理を広めていきたいと考えている。「“ビストロ” という言葉をよく目にすると思いますが、実はどんなお店かあまり知られていません。ビストロは、フランスのお酒と料理が楽しめる大衆的なお店。フランス文化そのものです。お腹いっぱい料理を堪能していただき、気持ちよく酔っぱらって帰っていただきたいですね」。

地域食材を大切にし、ワインもフランス産にこだわる。店内も自分たちの手で居心地よい空間に造り上げる。名前や形だけでなく、この店には、地元愛、仲間を大切にする心、創意工夫の精神―フランス文化の最も大切な部分が存分に体現されているように感じられた。
(取材日:2016 年9 月14 日)

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