開業実例

成功者インタビュー

Concept

ラーメンには正解が多様にあるからこそ面白い!
“きれい過ぎない味わい”がポイント

麺や 七彩 八丁堀店

藤井 吉彦さん

物心がつく前から台所に立っていたという藤井さんは、理工学部に進学するものの飲食業が楽しくて大学を中退。中華・フレンチ・イタリアンとさまざまなジャンルを経てラーメン業界へ。2007年2月、都立家政にてW店主・阪田博昭さんと「麺や 七彩」をオープン。化学調味料を使用せず、素材の魅力を最大限に引き出して生み出される喜多方ラーメンは多くの人を魅了している。
★ 麺や 七彩 八丁堀店★

住所:中央区八丁堀2-13-2
TEL:03-5566-9355
営業時間:月〜金 11:00〜15:30/17:30〜22:30
土・日・祝 11:00〜21:00
定休日:第3 火曜日
店舗情報:【 Facebook 食べログ 】

 

▶▶▶成功者インタビュー(麺や 七彩 八丁堀店)【 前編 】

業種:
ラーメン
予算:
面積:
15坪 (49.59㎡)〜
地域:
中央区
初期設備:
居抜き

ラーメンには正解が多様にあるからこそ面白い!
“きれい過ぎない味わい”がポイント

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あらゆるジャンルを網羅してきた藤井さんがラーメン店を開業したのはどうしてですか?という問いに、こんな答えが返ってきた。「ラーメンは面白いからです!」
近年、イタリアン・フレンチ・和食などあらゆるジャンルの出身者がこぞってラーメン業界に参入してきている。元のジャンルならいい値段で出せるスープやソースのノウハウを注ぎ込んだラーメンの価格は数百円だ。それでもなぜみんなラーメン業界に来るのか…?
ラーメンには他の料理よりも自由度が高く“縛り”がないのだ。食べ手の人がそれを食べたときに‟おいしいラーメンだ”と認識してくれたらラーメンとして成立するところが面白い。だからラーメンには定義がなく、今日知った食材、今日知った調理法をも使えるジャンルなのだ。どの業界から参入してきても個性が出せる。ラーメンストリートのように1ヵ所に何店舗もラーメン屋さんが集まってもやっていけるのは、それぞれのラーメンがまったく違うものだからだ。「ラーメンには正解が多様にあり、すごく自由度が高くて面白いんです」。
自由度が高いが藤井さんたちには気をつけていることがある。それは「きれい過ぎない味わい」。食材にはすごく気を遣っているし、お子様でも召し上がれるよう苦みやえぐみが出ないよう気をつけて調理している。でも完全に抜くのではなく、少しだけ残す。そこがポイントなのだそうだ。「うどんやおそばの出汁のように澄み過ぎた感じのスッキリしたラーメンでは記憶に残らない=また食べたいにはならない」と藤井さんは語る。真面目に料理に取り組んできた人ほどそこに気づかなかったりして、美味しさだけを追求して失敗する人をたくさん見てきた。「少し濁った味わいを残す=一癖つけてあげること」が難しいけれども大事なポイント。現在「七彩」で提供されているスッキリした醤油にも、ガッツリ薫る煮干しにも、そのポイントは取り入れられている。
“ラーメン1杯はフルコース”とおっしゃる藤井さん。前菜に野菜、スープ、副菜、メインの肉料理もあって、1杯の中で完結している完全食だと思っているので、フルコースを召し上がるような感覚で食べていただけるものを追求し続けている。

店主が常駐し厨房に立ち料理すること
“人自体がスパイス”になっている

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「麺や 七彩」は都立家政で産声をあげ、現在そこは「食堂 七彩」と名とメニュー内容を変えて愛され続けている。合資会社の「金町製麺」は藤井さんの会社raRの社員がすべてを任され運営している。そして「麺や 七彩」は八丁堀に場所を移しW店主の阪田さんと共に営業している。支店やフランチャイズで店を増やすということを一度もしていないのだ。それには訳があった。
「ラーメン屋さん、特にうちのような店は『お客様が人につく』という部分があります。多店舗展開すると、どうしても店主のいない店ができる。たとえどれだけ味が変わらなくても『やっぱり店主がいないと味が落ちる。美味しくない』と言われることがあります。同じ味なら店主がいる方が美味しく感じる。人自体がスパイスになっちゃってるんですよね」。ただ従業員を置いてお店を増やしても、常連のお客様は理解してくれないし喜んでくれない、そんな七彩を求めていないという思いから、七彩を展開していきたいとはまったく考えていないのだそうだ。いつか自分たちの身体が動かなくなったときにやりたい人がいれば、そのまま誰かに引き継いでもらうかもしれない、と藤井さんは微笑んだ。

“食材の知識”を正しく知ることで
消費者が選択できる世の中にしていきたい

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会社名の「raR(ライズ・ア・レボリューション)」は“革命を起こす”の意味。現在の食事情は「資本主義」が主軸となっている。戦後圧倒的に物資が不足していた時代に代わりとなるものを編み出し、経済再生のためにと、先人が努力をしてきた賜物である。しかし、現代の社会では「食糧」が担う本来の役割と、資本主義が目的の「食料」の優劣が逆転傾向になりつつある。食に対する意識は、美味しさを求める人、安さを求める人、安全性を求める人と多種多様となり、それは生産者にも消費者にも言えることだ。選ぶ時代がやってきたのならば、選ぶための正しい知識が必要なのではないだろうか。
革命という行為は、苦労や実害がある人が増え、現状に不満を持っている人々がそうではなくなる環境を求め始めた時に成立する。「raR」の目指す革命は争い事ではなく、料理人が“美味しい”と笑顔で思える料理を通じて「食への興味を改めて感じてもらいながら進める平和的な革命」。これが、それを求めている人々や志が高く正直な生産者が受ける苦労の低減になると信じているそうだ。
七彩出身者はみな食について勉強しているので、少しずつ裾野が広がっている。「自分一人で発信しても目の前のお客様にしか伝えられないけれど、言ってくれる人が増えればピラミッド型に情報が伝わっていく。そうして日本が変わっていけばいいなと思うんです。いずれ七彩がなくなっても、店があったことすら忘れ去られても、その思いだけは百年後に残っていて後々に伝わっていたらいいですね」と藤井さんは語った。
食材にこだわり多くの人と関わっていく中でいつしか食全体のことを考えるようになった。これからも極上の1杯を追求しながら、自分たちにできる“革命”の輪を広げていくことだろう。

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