開業実例

成功者インタビュー

Concept

市場の片隅から複数店舗展開へ
敏腕経営者の説く飲食店成功の秘訣

チョップスティックス 吉祥寺店

茂木 貴彦さん

フクモチック有限会社代表取締役社長。飲食店勤務や英国滞在を経て、2 0 0 3 年、高円寺・大一市場にベトナム屋台料理店「チョップスティックス」を開店。日本初の生米麺フォーで話題を呼ぶ。現在では中央線エリアを中心に、ベトナム料理店、ラーメン店など計6 店舗を展開。年最低1 回はベトナムへ食べ歩きに赴き、現地で得たユニークな地元料理のエッセンスを新メニューづくりに活かしている。

 

★ チョップスティックス 吉祥寺店★

住所: 武蔵野市吉祥寺本町1-31-4 日得ビル1F
TEL:0422-20-6060
営業時間:
平日 11:30~14:30 17:00~23:00
土日祝 11:30~23:00
定休日: 無休(臨時休業・年末年始除く)
店舗情報:【 HP 食べログ ぐるなび Hot pepper Retty 】

さびれかけた市場からの出発
日本初生米麺フォーがT V で一気に話題に

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JR吉祥寺駅北口から徒歩3分。大手家電量販店裏、小洒落たレストランやバルが軒を連ねる繁華街にあるのが、ベトナム屋台料理「チョップスティックス吉祥寺店」だ。日本初の国産米粉生麺フォーと化学調味料無添加スープの優しい味を求めて多くの客がやって来る。オーナーの茂木貴彦さんは、中央線・下北沢エリアを中心に、ベトナム料理店や鶏そば店など計6店舗を運営しているベテラン経営者。吉祥寺店は2014年、5つ目の店としてオープンした。

茂木さんの飲食店キャリアは、大学卒業後にはじまった。「学生時代はまったく飲食業に興味はありませんでした。でも、商売をしたいという思いは昔からありました」。そこで、飲食店の厨房に入り、2年ほど経験を積んだ後、イギリスへ渡航、現地でも新店舗立ち上げに関わった。ベトナム料理を始めたきっかけは、イギリスで体験した或る出来事にあった。現地の日本食レストランでは、カリフォルニア産の日本品種米を仕入れるのが一般的だったが、それを口にして、茂木さんは、日本産の米がどれだけ美味しいか、そしてどれだけ高級な米かということに初めて気づいたという。しかし、当の日本には米の麺がない。それならば、世界で一番美味しい日本米でベトナム料理のフォーを作ったら、これまでなかったような美味しいフォーができるのではないか?そう閃いた茂木さんは、単身ベトナムへ渡航し、現地で食べ歩きを重ね、製麺工場を視察した。こうして未知のベトナム料理をほぼ独学で勉強した末に、2003年、高円寺・大一市場に開いたのが、チョップスティックス第1号店(今の高円寺本店)である。

当時の大一市場は、小さな乾物屋や惣菜屋がひっそりと集う、お世辞にも活気があるとは言えない場所だった。製麺所との二人三脚で、試行錯誤の末に日本初の国産米生麺フォー開発に成功するも、茂木さんも当初は1日の来客2~3名という苦境に耐えた。ところが、ある時、たまたま店を訪れたTVディレクターが店の料理を気に入り、番組や雑誌で取り上げられたことから、一気に認知度が上がって客足が伸びた。するとその活況につられるように、さびれた市場に、一店、また一店と新しい飲食店が増えていき、現在のような飲み客で賑わう人気スポットとなったという。「市場の大家さんにも感謝されました」とその時の状況を振り返って微笑む。

第2号店に選んだのは人気の街・吉祥寺
コンセプトは「ベトナムの古民家」

茂木さんは、人の往来の多さと、自宅からの通いやすさを考慮して、中野、吉祥寺などの中央線エリアを中心に出店地を選定している。特に重視しているのは「立地」だ。「飲食店は一定水準以上の数が売れれば、家賃などの固定費が占める割合が抑えられるので、人が来る立地が重要」と語る。ただ、この辺りは人気エリアなだけになかなか好物件が出ない。吉祥寺の現物件(居抜き)は、駅近で、外観も希望に合っていたため、内覧段階でほぼ契約を決断した。
「居抜き物件は残った設備が必ずしも使えるとは限らないのが難しいところ」。吉祥寺店の場合も、前店舗が小料理屋と異業態だったため、大がかりな改装になった。座敷を撤去し、側面の壁を壊してベトナム風の可動式の開き戸に替えた。「内装のイメージは、古民家で有名なベトナムの世界文化遺産都市・ホイアンです。現地の写真を内装業者に渡してイメージを伝え、施工してもらいました」。
アジアンな雰囲気満載の開き戸やテーブルの天板は、実は、古材を利用して大工たちがその場で作ったものだというから驚く。小料理屋時代から残っていたカウンターも、爽やかな水色に塗り替えて活用した。「もう少し広いと良かった」という店内は、土日ともなると人が引きも切らず、本格的なベトナム屋台の味・雰囲気を気軽に楽しめる店として賑わっている。

今後の課題は人材確保
社員の幸せも考えつつ目指すは10店舗

飲食業の醍醐味は「お客様の反応を直に見てとれること」と語る茂木さん。次なる目標は今後5年間で10店舗まで増やすことだという。既存店の2号店、3号店のオープンを念頭に考えているが、「日本そばやバインミー(ベトナム風サンドイッチ)のお店もいいなと思っています。新規店の開店はたいへんですが」と新たな構想も膨らむ。
一番の課題となっているのは、人材確保。「今はどこも人手不足でなかなか新卒が取れない」とため息をつく。その隙間を補ってくれる心強い助っ人が、ベトナム人社員たちだ。日本に留学に来て学業を終えた人などを採用しているという。現在の社員比率は、日本人とベトナム人がほぼ半々。たいへん国際的な就業環境になっている。
「飲食業はどうしても拡大傾向に走りがちですが、自分はそうはしたくない。社員の幸せも考えながら、自分の手の届く範囲で大事に店を育てたい」と、心のこもった店舗経営を大切にしている。時間が出来たら、毎年敢行しているベトナムへの食べ歩き旅行も、範囲を広げて食の研究を続けていきたいと考えている。

「庶民感覚」が経営のキー
きちんと経験を積めば飲食店開業はそんなに難しくはない

茂木さんは店舗運営で「庶民感覚」を大切にするという。「メニューの料金も、社員たちと相談しながら、庶民的な額におさまっているかどうか検討を重ねます」。国産米粉麺、国産鶏がら、国産野菜、利尻・羅臼昆布などこだわりの材料にはコストもかかるが、「まぁ、何とかやりくりをして」と笑って答える。美味しく身体によいものをリーズナブルな価格で。誰もが喜ぶサービスの提供に淡々と正面から取り組んできたことが、茂木さんが数々の繁盛店づくりに成功してきた最大の秘訣かもしれない。
これから新規開業を目指す人にはこうアドバイスする。「独立を目指して飲食の世界に入っても、ほとんどの人が失敗を恐れて挑戦できないでいるのが実際だと思います。でも、きちんと経験を積んで、お金や物件の立地など重要な部分を押さえ、あとは覚悟さえ決めれば、そんなに致命的な失敗は起こらないはず。少なくとも、個人店舗に関しては、売上目標の達成は、それほどハードルが高くないと思います」。

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