開業実例

成功者インタビュー

Concept

旬の食材で身体の喜ぶ美味しい料理を
飲食業のプロが到達した穏やかな和食の境地

和彩 遊佐

遊佐 伸博さん

東京都文京区出身。19歳で料理専門学校に入学以来、一貫して和食の道を歩む。銀座、上野、大森などの割烹・懐石料理店で経験を積み、2015年5月、目黒区・学芸大学駅に「和彩遊佐」をオープン。上品な和の空間で、A5和牛、鱧(ハモ)、スッポンなどの厳選素材を用いた旬の味覚と、美味しい日本酒・焼酎が楽しめる店として口コミで評判が広がっている。

★和彩遊佐★

住所:目黒区鷹番2-3-8 鏑木ビル1階
TEL:03-4283-3328
営業時間:
昼 11:30~15:00(ラストオーダー14:00)
夜 17:00~23:00(ラストオーダー22:00)(平日~土)
17:00~22:00(ラストオーダー21:30)(日・祝祭日)
定休日:月曜日(祝祭日の場合はその翌日)
店舗情報:【 HP Facebook 食べログ ぐるなび 】

業種:
和食
予算:
300万円〜
面積:
20坪 (66.12㎡)〜
地域:
目黒区
初期設備:
居抜き

人気の学芸大学エリアにオープン
旬の極上食材が堪能できる和食の名店

和彩遊佐03

東急東横線・学芸大学駅は、渋谷まで急行2駅、途中駅の中目黒を経由して日比谷線で恵比寿・六本木・銀座へも30分圏内と、交通至便な人気エリアである。駅周辺の6つの商店街は、昔ながらの青果商や小間物屋の間に、居酒屋や都会風のカフェ・バーが共生し、街歩きを楽しむ人々で賑わう。そのうちのひとつ、東口商店街を直進して5分、都道420号線とぶつかる交差点の左向かいに見えるのが、日本料理店「和彩遊佐」である。

店主の遊佐伸博さんは、割烹・懐石料理を専門とするベテラン料理人。昨年2015年5月、調理歴20年の節目にこの地に自店を開業した。和食の板前さんというと、眼光鋭く、気難しいイメージがあるが、遊佐さんの人柄はたいへん気さくである。和食の道に入った経緯を伺うと、「いや、高校時代までの自分は本当にひどくてさ、卒業もやっとで、その後やることも何もなかった。料理人になったのも“流れ”です」と笑いながら話してくれた。

だがその料理には、調理技術・食材に対する妥協のない姿勢が見事に体現されている。「安心して食べられて、美味しく、身体に良い本物の和食を」と、厳選された四季折々の素材を用いて、先付から甘味に至るまで一から手作りで調理する。メニューには、最上級A5前沢牛、吉野川産天然スッポン、初鰹・鱧(ハモ)・真子鰈・スミイカ・平貝や、松茸・タケノコ・ワラビ・青梅・唐きびなど、旬の魚介類・野菜・山野草が並ぶ。これらの一級品をリーズナブルな価格で提供できるのは、長年の料理人キャリアで培った仕入れ先人脈のたまものだ。「外の店で満足できるものは、ほぼ無い」と、料理研究のために食べ歩きをすることはせず、ひたすら素材と向き合い続ける。

同業種の居抜き店舗をさらに洗練
自慢の器コレクションで格調高い空間に

遊佐さんが開業を考え始めたのは、2013年頃。30代初めで飲食店の業態開発業に移ってから、6~7年経った時だった。ビアホール、沖縄料理、日本そば、焼肉、中華など、数々の店舗開発に現場で携わってきた。だが、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災と、飲食業にとっては客足が低迷する厳しい時期が続いた。「成果が努力に比例しない。そんな苦しい状況に思うところがありました」。そこで、自分のしたことがそのまま自分に返ってくる、自分の店を持とうと思い立ったという。

開業準備のため、不動産屋に6~7軒当たったが、ABC店舗の現・居抜き物件にめぐり会うまで2年の歳月を費やした。「担当の営業さんがマメに物件を紹介してくれて。休日も2人で物件を見に行ったこともありました」。当初は仕事でなじみのあった恵比寿エリアを考えていたが、家賃の高さに断念。自宅からそう遠くなく、街のイメージも良くて、駅乗降者数も多い学芸大学駅を出店地に定めた。物件内覧からオープンまでわずか3ヶ月のスピード開業だった。

今回のケースは居抜き物件のメリットが活かされた好例だろう。前店舗も和食店だったため、厨房・ホール含め、8割方の設備は継続使用できたという。使用期間1年半ほどという新しさも幸いした。その分、造作譲渡代がかさんだが、完成度の高さには目を見張るものがある。オープンにあたっての改装デザインは、「昼2~3千円、夜5~6千円くらいの客単価に合う店を」と、知人デザイナーにイメージを伝えて案出を任せた。新たに入れた白地が上品な椅子・テーブルと、玄関前のモダンなデザインのガラス壁が、より洗練された空間を演出している。遊佐さんが買い求めたり、勤め先から譲り受けたりして収集した、有田焼の見事な器・美術品のコレクションも、店の格調を高めるのに一役買っている。店頭に掲げる「和彩遊佐」の流麗な書は、義父の手によるものだという。

 

長く続く愛される店を――
飲食業界を知り尽くした店主が辿り着いた境地とは

和彩遊佐05

開店から1年、和彩遊佐は、「これまで学芸大学には無かった上質な店」として、口コミで評判が広がり続けている。主な客層は、地元のご年配層、会社員、ランチは主婦層も目立つ。慶祝事に利用されることも多い。店のホームページで、親子孫3世代の食事会、お食い初め、初節句など、様々な機会に応じて丁寧につくりあげられた料理の数々が紹介されているので、ぜひご覧いただきたい。

 調理・運営ともに熟達し、営業規模の拡大も十分可能と思われる遊佐さんだが、「目指すのは長く続く店」と、業績に比すると質朴とさえ感じられるほどシンプルな展望を示した。「業態開発時代、とある焼き菓子店で空前の大ヒットを生み出したことがありました。でも、その代わりに凋落も激しかった。そういう逆V字の一発屋ではなく、ゆるやかに伸びていくような、長く愛される店にしていきたいですね」。

 前職では深夜の帰宅となることもしばしばだったが、今は自分の設定した時間に店を閉められる。こうしたささやかな自由も素朴に嬉しい。プライベートでは3女の父。料理を作ったり、話をしたり、これまでなかなか持てなかった妻や娘たちとの時間を大切にしている。食の最前線で走り続けてきた遊佐さんが到達した穏やかな料理と生活に、人の幸せの本当の所在を見た気がした。

 「自分の店を開きたいのになかなか踏み出せないという人は、むしろ止めておいた方がいい。よっぽど自信がないと」と、食の世界を知り尽くした遊佐さんの姿勢は厳しい。自身も多忙を極めるなか、店舗運営、価格設定、SEO対策など、セミナーに足繁く通って必死に勉強した。「あとは地道にやることが大切だと思います、物件探しも開業準備も。自分はひとつのことにじっくり取り組むことが苦でないのが良かったかもしれません」。静かながら揺るがぬ自信に満ちた言葉で開業志望者にエールを送った。

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